かなり難しい!黒染めを明るく戻す時に失敗しない方法

黒染めをすると、その後明るくしたいと思っても上手くいかないことがほとんどです。これは私達美容師でも難しい施術になります。
そのため、今、黒染めをしようと思っている方がいれば、もう一度ちゃんと考えてください。
とはいっても黒染めを戻したいというお客様はは多いもので、特に学生さんで夏休みや冬休みの長期休暇後に黒染めをしてしまったり、あとは就職活動中に黒染めをしたなどの事例が多いです。

もう一度いいますが、黒染めを明るくもとの状態に戻すのは非常に難しいです。

なぜ黒染めを明るくするのは難しいの?

日本人の髪色はもともと黒っぽく見えますが、これはメラニン色素の関係で遺伝的に黒いメラニン色素が多いから髪が黒く見えるのです。
自然なメラニン色素はカラー剤による化学反応で髪の毛を明るくしたり、色素を薄くしたり、壊したりすることが容易にできます。
しかし、人工的に作られた黒染めの色素はメラニン色素の間に入り込み非常にしつこく吸着します。
また、黒染めの色素というのは非常に強力で明るくなりません。

例えば、黒いお洋服を明るい色にしようとすると、洗濯を何度繰り返しても黒い洋服は黒のまんまですよね。
明るくしようとするなら、ハイターなど洋服用のブリーチ剤が必要になってきます。
人の髪もある意味これと同じなんです。
それを踏まえて黒染めを明るく戻す方法をご紹介します。

黒染めを明るく戻す3つの方法

黒染めを明るいカラーリングに戻すためには主に3つの方法があります。

ブリーチを使う

ブリーチは髪の毛の色素を抜き取り脱色することによって髪の色を明るく見せます。
ブリーチ自体に染毛料は含まれていないため、日本人の髪にブリーチをするとオレンジ→イエロー→ペールイエロー→ホワイトという順に髪が明るくなります。

ただ、黒染めをしていると一回ブリーチをしただけでは暗めのオレンジになれば良い方で、好みの明るさにするためには何度もブリーチを繰り返す必要が出る場合があります。
当然ブリーチを何度も繰り返すと髪はダメージし、切れやすくなります。

脱染剤を使う

一般的に出回っている脱染剤の殆どは私の感覚ではブリーチに近い感覚です。
ブリーチほど脱色作用はありませんが、髪の痛みがブリーチと似ています。

また脱染剤は黒染めやマニキュア落としなどに使われますが、正直髪に含まれる色素量や濃度によるので、キレイに脱染される人もいればそうでない人もいます。
そのため、私個人的には黒染め戻しで脱染剤を使うのはあまりオススメできません。
キレイに成功した試しが無いからです。
しかし、アッシュやマットなどのカラーで失敗して毛先が緑っぽくなったりなど、色素の薄いカラーリングでの失敗には脱染剤は使えます。

自然に退色していくのを待つ

私が一番オススメしたいのはこの自然に色味が抜けていくのを待つということです。
カラーリングは日にちを置けば置くほど退色していくものです。
いくら強力な黒染めでも半年とか1年も待てば自然に髪が明るくなっていきます。

その時その明るさに合わせたカラーリングをすることが髪を傷めずベストなカラーリングができるはずです。
ただ、黒い色素が強すぎるともっと時間がかかる場合があるので、そのときはブリーチ一択になるかもしれません。
黒染め戻しはこれら技術で髪の内部まで入り込んでいる黒の色素を抜き取り、さらに上からカラー剤を塗布し希望のカラーリングに仕上げていきます。

黒染め戻しで失敗しやすいこと

次に黒染め戻しで失敗しやすいことをいくつか挙げてみます。

根本だけがキンキンの金髪になる

黒染をして1ヶ月くらい期間をあけて髪を明るくしようとしたら、根本だけが明るくなって逆プリンになることが多いです。
根本は新生毛なので明るくなりやすいのですが、それ以降の髪は黒染の色素が残っているため明るくなりません。
そのため根本だけが金髪になってしまう失敗が多くあります。

ムラムラになる

特にセルフで黒染をした場合、黒染のときはムラ無くキレイに見えると思いますが、いざカラーリングでトーンアップをすると黒染の色素がしっかり入っていない箇所と入っている箇所にトーンの差が出てしまいムラムラになる失敗があります。
根本が金髪になる、ムラムラになるというのはいずれもセルフカラーをした方に多く見られます。

黒染め戻しをしたあとパーマやストパーをかけたらチリチリになった

黒染を美容院で直してもらい、その後すぐにパーマやストパーなどをかけたりするとチリチリになります。
ブリーチを数回繰り返して色をもとに戻しているので、その上からパーマ液を使うのは一番やってはいけない施術です。
チリチリやテロテロになっても仕方がありません。
ブリーチは髪をダメージさせる薬剤の中でもダントツにパワーが強いです。

黒染をキレイに失敗しないで染めるには?

メンズの場合女性よりも髪の毛が短いのでブリーチを3度ほど繰り返して髪をダメージさせてもカットの頻度が高いのでダメージ部分は髪の長い女性よりも比較的早くなくなります。
またムラになった部分もヘアスタイル次第で隠しやすいので割と簡単に髪をトーンアップできます。
しかし、ロングヘアの男性はブリーチをせずに自然に黒い色素が退色していくのを待ちましょう。
髪が長いほどムラも目立ちますし、黒染とカラーリングの境界線みたいなものができてしまいます。

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