年代で違うって知ってた?男性の年代別抜け毛の原因と対策

男性毛髪の抜け毛の原因は色々ありますが、圧倒的に多いのがAGA(男性型脱毛症)によるものです。あのサザエさんのお父さんの髪、要するに頭頂部と前頭部がハゲている状態が典型的なAGAの症状です。

AGAによる抜け毛は早い人で思春期を過ぎた頃から見られ、何もしなければ、加齢と共に抜け毛が進行します。
そのため、AGA発症はQOL(生活の質)を下げるだけでなく、精神的にもダメージを与えるといわれ深刻化しています。

そこで、これから年代別に抜け毛の原因、抜け毛や薄毛予防対策をご紹介いたします。
その前にAGA発症の仕組みを簡単に説明しておきましょう。

AGAが発症する仕組み

まず、男性ホルモンであるテストステロンが、5αリダクターゼという酵素によってDHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンに変換されます。
AGAによる抜け毛は男性ホルモン受容体にDHTが結合することで始まります。

ところで、AGAはよく遺伝すると言われます。
その理由は、AGAを発症させる物質であるDHTが結合する男性ホルモン受容体の感受性にあります。

この男性ホルモン受容体の感受性の強さが遺伝によってある程度、決まっていると考えられています。
AGA治療の権威の板見智博士(大阪大学院教授)が「ハゲる人はハゲる」と言われたことからも、AGAは遺伝色が濃いということがわかりますね。

そこで、「うちはハゲの家系だからオレもハゲる?」と、心配する若い男性も出てきます。
遺伝しやすいことは事実ですが、抜け毛の進行を抑える、運が良ければ、抜け毛を予防する方法もあります。
これから、10代後半~20代、30代~50代、60代以降とに分けて、年代別の抜け毛原因と予防対策をご紹介していきます。

年代別抜け毛の原因

10代後半〜20代の抜け毛の原因

早くも思春期を過ぎた頃から抜け毛が始まる人がいます。
強い遺伝体質が考えられますが、それだけではありません。
ということは、遺伝体質だからといって諦めるのは、まだ早いということになります。
10代後半から抜け毛が増えるのは、AGA以外に多くの原因があります。

過激なダイエット、ファーストフードなどの食べ過ぎで抜け毛が増える

最近、若い男性の間でも極端なスリム体型が流行っているといいます。
過激なダイエットは、抜け毛を進行させます。
髪の毛のほとんどが、ケラチンというたん白質でできているのですが、過激なダイエットによって体内でたん白質が減少します。

たん白質は臓器や組織の原材料にもなりますが、身体が生命の危機に陥ると、生命を維持するために必要な臓器などにたん白質が使われ、生命維持とは無関係な髪の毛へのたん白質補給は、後回しになります。
そのため、過激なダイエットを続ける限り、抜け毛は増えるということになります。

また、ファーストフード、インスタント食品などばかり食べるのも栄養が偏り、たん白質減少につながり、抜け毛の原因になります。
その他、受験による過度のストレスなども抜け毛の原因です。

20歳代からそろそろ男性ホルモンの影響が……

2017年に発表された日本皮膚科学会のAGAガイドラインによると、AGAは思春期過ぎた頃から見られるとあります。
しかし、それでもAGA発症好発年齢は30歳代からということを考えますと、20歳代のAGA発症はまだ早いと考えられるでしょう。
早期の発症は遺伝体質だけでは片付けられず、日常生活の乱れも大いに関係あります。
学生から社会人となるストレス、会社での人間関係によるストレスもあれば、お酒を飲む機会も学生の時以上に増えます。

また、仕事が忙しくなり、食事が不規則、残業続きで睡眠不足にもなります。
もしかしたら、煙草を吸い始めた人もいるでしょう。これらは、全て抜け毛の原因となります。
このような荒れた日常では、遺伝でなくても抜け毛が増えてしまいます。また、すでにAGAを発症していれば、さらに進行していきます。

30代~50代の抜け毛の原因

いよいよ、本格的にAGA発症年齢に突入します。
AGA発症原因がテストステロンの過剰といわれることが多いのですが、少し、違います。
もし、テストステロン過剰が原因であれば、テストステロン量が一番多いといわれる20歳代の男性が一番、抜け毛が多くなくてはいけません。
しかし、抜け毛や薄毛は加齢と共に進行します。

AGAはテストステロン減少が誘因

これはどういうことかと言いますと、加齢によってテストステロンが減少するため、テストテロンがさらに強力な男性ホルモンのDHTに変わることで、男性ホルモンの減少を食い止めようとするためです。
先程、DHTはAGAの発症原因物質と述べました。

30歳半ばを過ぎ、男性ホルモンの量が減少すると、それに合わせるかのようにテストステロンから変換したDHTの量が増えていきます。
男性ホルモンの減少は動脈硬化、高血圧など、生活習慣病発症のリスクを高めます。
また、年齢的にも生活習慣病が発症しやすくなります。

血行不良は薄毛の原因になる

この年齢になると、動脈硬化になる人が急激に増えますが、動脈硬化は、血行不良の原因の一つです。
髪の毛は血液を介して運ばれてきた栄養物質を使い、毛母細胞を激しく分裂(増殖)させることでできあがっていきます。
そこに、動脈硬化などによる血行不良があると、栄養物質が毛母細胞までしっかりと運ばれなくなります。
その結果、エネルギー不足で毛母細胞の分裂能力は低下し、髪の毛は作られなくなるわけです。

30~50歳代は男性ホルモン量低下でAGAによる抜け毛が増え、その上、年齢的にも生活習慣病を発症しやすく、血行不良から抜け毛を増やしてしまうことになりかねません。

60歳以降の抜け毛の原因

人生100年の時代に突入しました。
60歳から先の人生もまだまだ、長いです。
抜け毛も気になります。

60歳以降はさらなる男性ホルモン量の低下、生活習慣病発症のリスクも益々、高まりますから、そのまま放置しておくと、抜け毛はどんどん進行していきます。
同時に、たくさんの疾病を抱えるため、色々な薬を飲むことが少なくありません。
糖尿病治療薬、甲状腺系治療薬、脂質代謝系治療薬、抗うつ薬など、薄毛や抜け毛を進行させるポピュラーな薬がたくさんあります。

このように加齢と共に、抜け毛の原因も多様化していきます。

年代別予防対策

10代後半~20代の抜け毛の予防対策

非常に若い年齢での抜け毛は、AGAというよりは受験や学校生活などからくるストレス、ファーストフードやインスタント食品の摂り過ぎが原因であることが多く、これらを改めることで抜け毛は改善されやすくなります。

30代~50代の抜け毛予防対策

男性ホルモンを減らさないようにするには、筋トレなどによる積極的な運動が効果的です。
また、この年齢になると体重が増加しやすくなりますが、肥満も男性ホルモンを減少させる要因の一つですから、運動、適度な食事バランスに心がけましょう。
また、糖尿病や高血圧などによる血行不良も抜け毛の原因になりますので、生活習慣病の予防対策は、抜け毛防止にもつながります。

60歳以降の抜け毛予防対策

病気の数が多いほど、抜け毛も増えますので、なるべく病気にならないようにし、病気になっていたとしても薬の量が増えないよう、体調に配慮することで、薄毛の進行を抑えることができます。
また、適度な運動で筋肉量を増やし、男性ホルモン量を維持していきましょう。

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