ドラッグストア等で市販されている育毛剤の中には、イソフラボンが含まれている物があります。
育毛剤だけではなく、美容全般にて用いられている成分なのでご存知の方も多いかと思いますが、そもそもイソフラボンとはどのような成分なのかや、本当に薄毛に対して発毛効果が期待できるものなのか、さまざまな角度からみてみるとしましょう。
目次
イソフラボンとは?
女性ホルモンに「似ている」成分
育毛剤だけではなく、美容製品にも多々イソフラボンが含まれている理由は、イソフラボンが女性ホルモンと分子構造が似ている成分だからです。
元々は大豆イソフラボンと呼ばれているように、大豆から抽出されるものです。
つまり、植物性なので体への負担が小さい点も特徴です。
「女性ホルモンに似ている」、「植物性」の二つの特徴から、美容品に含まれることが多いイソフラボンは、育毛剤から脱毛剤、保湿など、幅広い美容品に含まれている成分です。
安全性に定評がある
イソフラボンとは、お伝えしたように、大豆から抽出される女性ホルモンに似た成分です。
大豆は長らく日本の食文化を支えてきたもので、安全性は多くの方がご存知でしょう。
つまり、イソフラボンは「安全性の高いもの」としての知名度が高いことを意味しています。
近年、美容品には植物性由来のものから化学の力によって生まれたものなど、多種多様な成分が含まれていますが、多くの利用者からのニーズが高まっているのが効果だけではなく、安全に関する部分です。
どれだけ素晴らしい効果を得られるとしても、効果以外の部分で体に何らかの負担を強いるようなものであれば敬遠する傾向にあります。
そのため、体に優しい天然成分のイソフラボンは、安全を重視する現代人の美容ニーズにマッチしているのです。
イソフラボンに発毛効果がある?薄毛に期待できる?
イソフラボン「だけ」で発毛効果を期待するのは難しい
イソフラボンが、女性ホルモンに似た分子構造の成分であることは紛れもない事実です。
しかし、イソフラボン「だけ」で薄毛を改善し、発毛促進をもたらすかは個人差のある部分としかいえません。
なぜなら、イソフラボンは医薬品ではありませんので、確かな効果を謳うことができません。
医薬品であれば、医学的根拠に基いた効果を謳うことができます。
しかし、イソフラボンは医薬品ではありませんので、ミノキシジルのように「生えます」とは断言できません。
だからといって効果がないとも言い切れません。
結果、「個人差」としか言えないのです。
イソフラボンが薄毛に良い理屈
イソフラボンが育毛剤に使用されている理由として、女性ホルモンに似た成分である点が挙げられます。
実は抜け毛の理由は男性ホルモンにあります。
厳密には男性ホルモンというよりも、男性ホルモンを抑える女性ホルモンが減少し、男性ホルモンが活性化することで毛が抜ける。
これはAGAの脱毛のメカニズムですが、AGAの場合、男性ホルモンの働きを抑える手段としてフィナステリドを服用します。
医学品であるフィナステリドには、一定の効果が期待できますので毛を抜こうとする男性ホルモンの働きを抑え、抜け毛を抑制するメカニズムです。
つまり、イソフラボンはフィナステリドに似たはたらきを期待されているのです。
実際、女性ホルモンは男性にもあります。
年齢と共に減少し、男性ホルモンを抑えるだけの女性ホルモンがなくなることで、抜け毛が促進される点を踏まえると、イソフラボンが育毛剤に使用されている理屈は分からない話ではありません。
イソフラボンはあくまでも「医薬部外品」
はたらききのメカニズムとしては理解できるイソフラボンですが、決して医薬品としての認可を受けているものではありません。
つまり、端的に「効果を断言できない」ものです。
しかし、だからといって「効果がない」とも断言できません。
他の多くの「医薬部外品」のカテゴリーにあるものも、使用することで効果が現れるものもあります。
医学的根拠を示すことができないのではなく、医薬品としての認可を取得していないものなので、「効果がない」とはまた違うのです。
実際、イソフラボンが含まれている育毛剤や薄毛対策アイテムを継続して使用したことで、何らかの効果を得た人もいることでしょう。
そもそも、イソフラボンが女性ホルモンに似た成分であることは紛れもない事実ですが、含有量等の問題もありますので、イソフラボンが含まれているものでも、どれだけ含まれているかは不明なので、一概に「発毛効果が期待できる」とはいえませんし、逆に「効果がない」ともいえません。
まとめ
イソフラボンで確かなことは、「女性ホルモンと似た成分で構成されている」点のみです。
そして、女性ホルモンは髪の毛を含めた美容に大きな影響を及ぼしていることから、美容製品に含まれることが珍しくない成分ですが、決して医薬品ではありません。
そのため、あくまでも「医薬部外品」として多く見かけるものだと覚えておきましょう。